住めば都、というのは万国共通で
住んでみないとわからないことも山ほどありますが
縁あってインドに住んでいる方々には
自分の住んでいる町の歴史や地名の由来なども
知っていただけたらな、と思います。
たとえばヴァサント・ヴィハール(Vasant Vihar)は
ヴァサント=春の ヴィハール=園・庭
といった意味があり、日本人学校のあるヴァサント・クンジ
(Vasant Kunj)はヴァサント=春の クンジ=果樹園・林
という意味があり。
(そういえばこの一帯は、今でも果樹園の名残のように
お庭にマンゴーの木や、ジャックフルーツの大木が
残っているお宅があります。)
Defence Colonyは独立後に軍隊関係の人々が
政府に土地を譲り受け、ハウジングソサエティを
作ったことからその名がついたそう。
Greater Kailash地域の開発は1960年代以降に
DLFが担っていますが、街の名前は
昔からそこにあったシヴァ神のお寺にちなんで
シヴァ神の住処であったカイラーシュ山から
取られたのだろうという説が有名です。
Panchshilaは付近を住宅地として開発した
バルマン氏とその仲間、あわせて5名を礎として
「五つの岩」という意味があります。
また、カンナ―マーケットはインド独立時代の
敏腕大臣、カンナ―氏に因み、同じく
メヘルチャンドマーケットも氏の名前がついています。
Meher Chand Khannaというのが独立当時、
パーキスターンから移民してくるインド人の住まいを
整え、権利を守り、尽力した大臣のフルネーム。
あぁ・・・この辺を語らせたら長くなってしまう・・・・
そして、グルガーオンですが。
その名の由来はヒンドゥー教の一大叙事詩、
マハーバーラタの時代に遡ります。
現在のグルガーオンの中心部にあたる場所は
マハーバーラタに出てくる敵対する家族;
パーンダヴァ5王子とカウラヴァの100王子、
双方の弓の師匠であったドローナチャルヤの一族が
住んでいた土地だったというのです。
(地下鉄の駅名にもGuru Dronacharyaというのがありますね)
サンスクリット語で、師匠(先生)のことを
「グル」と言いますから先生の村 = グル・ガーオン
と呼ぶようになったのです。
(情報元;Wikipedia Etymology of Gurgaon)
他にもグルはサトウキビのことだからサトウキビの村、という
意味である、という説もあるようですが
名前の由来はグルガーオンの広報担当官に確認したので
多分これが公式見解になっているのだと思います。
私のこだわりの一つが「できるだけヒンディー語の
表記に沿ったカタカナ表記をする」ということ。
特に日本の雑誌に記事を書くときなどは、正確を期しています。
グルガーオン(
グルガオン)ジャイプル(
ジャイプール)
アーグラー(
アグラ) ヴァサント・クンジ(
ヴァサント・クンチ)
スィク教(
シーク教)スルターンプル(
スルタンプール)
サーケート(
サケット) などなど、こだわりだすときりがなく。
正しいヒンディー語のカタカナ表記を
いつも参考にさせていただいているのはアルカカットさんの
サイト「これでインディア」や、もと東京外大の
麻田先生のご指導で。ん???と思ったときにはまず
ヒンディー表記を調べ、短母音・長母音を確認してから
記載するようにしています。
インドに住むのも、旅行するのも、なんらかの形で
関わるのもご縁ですから・・・・
より正しいヒンディー語の発音に近いカタカナ表記は
これですよ、とちょこっと頭の隅に置いておいていただけると
嬉しいです。
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